
概要
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大によって 国内外の経済が深刻なダメージを受けました。 こうしたことから、より緩やかな審査基準で 企業の資金調達を支援する新制度が 次々と打ち出されました。 それらをうまく活用すれば、資金調達の幅が広がり、倒産のリスクを 軽減できるでしょう。 しかし、首尾よく資金を確保できても、思うように売上が改善せず、 利益も増えないとなれば、再び月々の支払いや返済に追われることになります。 計画通りに返済できなければ、出資者は厳しい対応を取らざるを得ないため、 以降の資金調達に悪影響を及ぼします。 逆に、借りたお金で利益を増やし、順調に返済を完了できれば、 その後の資金調達がスムーズになり、経営が安定します。 つまり、今やるべきことは「堅実な経営計画のもとに資金を調達し、 適切な運用によって利益を増やし、会社にお金を残す」ことです。 制度を活用してどんどん会社のお金を増やし、 その資金を計画的かつ効果的に事業に投じて会社を成長させながら、 しっかりと返済していく。 そうして、将来にわたって資金調達に困らない基盤を構築していく。 今、その絶好のチャンスなのです。 これまで「会社の資金を増やす方法」を伝える本は、数多く出版されてきました。 一方で「資金調達後、返済をスムーズに行う方法」を伝える本は、 あまり目にしたことがありません。 そのため、本書では、次の内容を伝えるべく構成しました。 ・「潰れない会社」とは、どのような会社か? ・コロナ禍における新しい資金調達方法は? ・経営数字から「会社の現状」を把握するためには? ・「実効性ある経営計画」は、どのように作るのか? ・キャッシュフローを改善するポイントは? ・どのような専門家に相談するべきか? これらは「今は資金繰りにそれほど困っていない」という会社にも、 実行していただきたいと考えています。 なぜなら「今」や「今まで」が大丈夫でも、この先は同じではありません。 去年の方法や、それ以前から長年続けてきたやり方は、 もう通用しなくなる可能性が高いのです。 新しい資金調達方法を知り、 これまでとは異なるお金の管理方法に挑戦してみてください。 そして、この機会にぜひ、事業計画の見直しを行ってください。 コロナ禍によって、人々の生活や仕事のスタイルは大きく変わりました。 その中で事業を推進し、生き残るためには、 より強固な計画立案と実現性が求められます。 事業が抱えている課題を余すことなく抽出し、改善計画を立てて、 行動を起こしていきましょう。 今、やるべきことは何か。 この先も会社を存続させるために、経営者として会社の課題を しっかりと棚卸しして、 取り組みましょう。 そうすれば、既存事業のスケールアップが実現し、 これまで見えなかった新事業の可能性も発見できるかもしれません。 皆さまの会社が、計画通りの売上と利益を出せるようになり、 キャッシュフローが改善して、資金繰りの悩みから解放されることを、 心から祈っています。 なお最後になりましたが、本書をまとめるにあたり、 「中小企業を応援する士業の会」の皆さまに執筆協力をいただきました。 この場を借りて、あらためて感謝申し上げます。(はじめに より) 第1章■あなたのビジネスは必ず成功する 1◆なぜ潰れる会社と潰れない会社に分かれるのか ・コロナショックであらわになった経営課題 ・「会社のお金」を残して継続的に成長させる ・お金の仕組みがわからない社長が大半 ・社長の通信簿は利益 2◆変化に対応できる企業文化をつくる ・成長するかどうかは経営者の考えひとつ ・あなたのビジョンを語ろう ・目標を共有しよう ・経営数字を公開しよう 3◆従業員目線からの経営計画づくりが大切 ・幸せと成功 ・企業の価値観とビジョンを従業員と共有する ・従業員それぞれの幸せに対応する ・会社と従業員の「絆」を強くする 第2章■経営計画の作り方・活かし方 1◆中期経営計画の全体像を理解する ・「5年後の理想の姿」と「現在の状態」のギャップを埋める 2◆中期経営計画を立てる目的・メリット ・3つのメリットを最大限に発揮させる ①会社の現状と課題を整理できる / ②やるべきことが明確になる / ③従業員が会社とともに成長していく 3◆中期経営計画の作り方 手順1:経営理念を明確にする ・Netflixのカルチャーデック(culture deck)を参考にする Vision(方向性)が示されないと、混乱する / Skills(技術)がないと、不安になる / Incentives(動機づけ)がないと、変化が緩慢になる / Resources(資源)がないと、欲求不満になる / Action Plan(実行計画)がなければ、疲弊するだけ / Mission(使命)がなければ、暴走する / Value(共通の価値観)がなければ、継続しない / 【ミッション】 / 【ビジョン】 / 【バリュー】 ・経営計画書の基本構成(アウトプット)を理解する 手順2:自社の現状を把握する 手順3:外部環境を分析する マクロ環境要因 / ミクロ環境要因 手順4:中期的な戦略を決める 手順5:利益計画を作る ①利益目標を作る / ②他の数値目標を決める / ③利益計画のシミュレーションを行う 手順6:経営戦略方針総括表を作成する 年計表で増減の傾向をつかむ / 商品別売上計画を作る / 製造原価計画を作る / 固定費計画を作る / 投資計画を作る / 資金計画および借入金とリース料の計画表を作る / 行動計画を会社、部門、個人でそれぞれ作る / 組織図を作り、立場を明確にする / 戦略目標をもとに、数値目標と行動目標を決める 4◆中期経営計画を現場に落とし込むマネジメント法 ・すべての経営数字を公開する必要はない ・月次・四半期ごとに見直しをする 5◆経営計画を作成する ・年間計画作成の手順を理解する 第3章■経営計画作成前に現状把握をしよう 1◆決算書で会社の体力を知ろう ・決算書を読みこなす力を身につけよう ・損益計算書からわかること ・貸借対照表からわかること ・5つの経営指標を計算しよう 2◆「収益性」「資金性」を把握する ・「総資本経常利益率」から会社の収益性を分析 ・「流動比率」から資金繰りの状態を分析 3◆「安全性」「安定性」「生産性」を把握する ・「自己資本比率」から安全性を分析 ・「安全余裕率」から安定性を分析 ・「労働分配率」から生産性を分析 第4章■お金の回し方 1◆会社の会計数字を理解しよう ・優秀な経営者は数字で把握している ・理解しておくべき3つの利益 ・経営者が頭に入れておくべき数字とは 頭に入れておくべき3つのポイント 2◆お金が残る改善をし続けよう ・キャッシュフロー計算書からわかること キャッシュフロー計算書の構造 / キャッシュフロー計算書から会社の現状がわかる ・前受金ビジネスで資金に余裕をもたせる 「減運」の会社から「増運」の会社を目指す / 前受金ビジネスの注意点 ・減らすべき4つの勘定科目 【売掛金】 / 【過剰投資(=棚卸資産)】 / 【貸付金】 / 【固定費】 ・「攻めの費目」と「守りの費目」に注意 【攻めの費目】 / 【守りの費目】 第5章■なぜ右肩上がりの会社ほど、専門家に頼るのか? 1◆経営者の仕事は、「書類作り」ではない ・思いや方針を考えて「未来を作る」 2◆専門家の横の繋がりを活用する ・外部の力を借りてさらなる事業成長を目指す 3◆得意分野に精通していれば心強い味方になる ・的確なアドバイスが期待できる 巻末資料■「お金を増やす」活動ノート 1◆お金の増やし方の基礎知識 ・融資を受ける ・助成金・補助金を活用する ・ベンチャーキャピタルを利用する ・クラウドファンディングで集める ・利益を出す 2◆計画があって初めてお金は増える ・「格付け」には「定量的評価」と「定性的評価」がある ・計画書作成の押さえ所 3◆資金調達後にすべきこと ・計画を実現化しよう ・利益を出し続ける体質をつくる 補足資料1 これは使える! 経営計画のフォーマット 補足資料2 これだけは覚えておきたい! 貸借対照表の用語説明